ヘアメイクという仕事はその特性上、細かな情報があまり表に出てくることはありません。
今回はヘアメイクになる前に知っておいた方がいいことを5つほどご紹介いたします
①お金が圧倒的に不安定になる。
ヘアメイクとは美容師と違い、就職という概念はありません。
ヘアメイク事務所で給料制を設けているところは極めて少なく、毎月決まった収入が得られないため、生活が不安定になりやすいです。また、フリーのヘアメイクとして働いた場合も仕事をした月の翌々月末払いなど、最長で60日前後に報酬が支払われることが一般的ですので、毎月の収入にバラつきが出てきます。
そして出費も不安定になります。
化粧品にヘア道具類、その他材料費やら交通費などかかる費用も大きい。
計画的に収支を管理できない場合、仕事よりもお金の工面で苦労することでしょう。
また、人付き合いが明暗を分ける仕事でもあるので、飲み会や会食の席も増えることも金銭的に不安定になる要因の一つにもなります。
ヘアメイクを目指すのであれば金銭管理も仕事を続けていく上で重要なスキルとなります。
②必要な知識が多い
ここで言う知識とは業界知識はもちろん、一人の人間として生きていく知識のことでもあります。
ヘアメイクになるということは個人事業主になりますので、今まで気にも留めなかった年金や健康保険、確定申告・インボイスまで全て自分で手続きをしなくてはならなくなります。
人によっては顧問税理士をつける人もいるでしょうが、これは毎月2〜3万円を支払う余力が必要になります。
ヘアメイクとしてデビューする前にはこういった必要最低限の知識も必要になります。
③安定することが難しい
一般的に職業を選ぶ際の判断基準の上位に来るのが安定性です。
残念ながら我々ヘアメイク業界は安定とは随分遠くなって久しい業界だと言えます。
2000年代前半くらいまではヘアメイクの人数も少なく、高額なギャラの案件も多かったようですが、昨今では一つの案件を巡って20年選手のベテランヘアメイクが取り合いをすることも珍しくない状況となっています。
筆者は業界人のサポートを生業としているので日々多くの相談が寄せられますが、現在その多くは将来不安が大多数を占めるのも一つの現実です。
一つの仕事に自分の人生の大半を捧げていても将来が不安になるくらい安定しない業界であるということは理解しておいた方がいいことの一つになります。
④技術と感性が必要と思われがち
これも良くある話ですが、ヘアメイクになるためにまず取り掛かりがちなのが、技術や感性を磨くことです。
確かにある一定水準の技術や感性は必要になります。ですが本当に重要なのは礼儀・礼節・マナーになります。
ヘアメイクはその職業の特性上もあってか、自身が主役と考えてしまう人が一定数います。そうなってしまう人にも一定の理解は示せますが、例えば現場で偉そうにしているヘアメイクと礼儀があり、皆から愛されるヘアメイクがいたとしたら選ばれるのはどちらでしょうか?人の人格は25歳で成長が止まってしまうと言われています。
技術や感性は努力次第で磨くことのできる部分ですが、出来上がってしまった人格を矯正するのは至難の業です。
ヘアメイクにとって一番重要なのは皆から愛される人間性なのです。
⑤ヘアメイクにはジャンルがある
一言でヘアメイクといってもその分野はテレビ・雑誌・広告・ファッション・ビューティー・タレント、アーティスト専属など実に多岐にわたります。
全てのジャンルを満遍なくできれば一番良いのですが、実はそう上手くいくものでもありません。
例えば有名アーティストの専属になったとすると、テレビ・雑誌・ファッションなど幅の広いお仕事をすることは可能ですが
そのアーティストが売れれば売れるほどヘアメイクとしての仕事の幅は狭まります。
ですので自分がどのジャンルで仕事を続けていきたいのか、どんなヘアメイクになりたいのかをよく考えて
叩く門戸を選ぶことも重要になります。
いかがでしたでしょうか?
ヘアメイクという仕事の複雑さ、華やかに見える表舞台のその裏側が少しでも伝わったら幸いです。
我々JUUKは上記のような業界の複雑さを少しでもわかりやすく、またハードルを少しでも下げられればと思い
日々研鑽しています。
ご興味のある方はぜひ一度私たちの取り組みを聴きにいらしてください。